僕たちの生きる今
「リップヴァンウィンクルの花嫁」(2016年 岩井俊二監督作品)
公開初日に観て来ました!
「花とアリス」や「ヴァンパイア」、「リリィ・シュシュのすべて」等々。
岩井俊二さんの作品は好きなものばかりです。
公開前から、この予告動画を何度再生したことか。
予告だけでも、その美しさと繊細さで、お腹一杯になれます。
実際に本編を観て、
僕たちの生きる“いま”に起こり得る、美しいおとぎ話。
そんな印象を受けました。
七海さんと真白さんのような出会いが、
僕の人生でも起こるといいな、とか思ってしまう。
作品の中で、気になった点をいくつか挙げてみます。
1.いくつもの顔を持つ、現代の人たち。
偽りの顔が本物となり、偽りの関係が本物になる。
2.世間の空気に支配され、自らの感情を表現できない
未成熟な主人公は、現代の病を象徴しているかのよう。
3.お金を払うことで、人からの優しさを受け取る。
それは日常的に行われていることで、
それによって人は救われている
映画のコピー:「この世界はさ、本当は優しさだらけなんだよ」
この作品が、岩井俊二監督が現代における
人間関係の有り様を映し撮った映像であり、
現代を生きる人への愛に溢れた映画であるということは、
未熟な僕にも十分伝わってきました。
人物の心情描写もとても繊細で、美しい映像表現と合わさって
観る人を惹きつけてくれる作品だと思います。
まだご覧になっていない方はぜひ!